ZAITEN2025年09月号
【企業倫理を問う!】
アイリスオーヤマ 報道機関に「年商」「仕入先」「販売先」を答えさせる非常識
カテゴリ:クレーム・広報
生活用品メーカーのアイリスオーヤマから取材時に指示されたのは、ありえない質問に答えさせる送信フォームへの記入だった。人気番組のスポンサーになろうと、この世に「顧客」と「取引先」しかいないという発想では一流企業にはなれない。
本誌今月号の特集で、日本テレビの番組『ザ!鉄腕!ダッシュ‼』のスポンサー各社へのアンケート調査を実施した(詳細は15頁)。その中で、どうにも首を捻らざるを得なかったのがアイリスオーヤマの取材対応。正確にはWeb上の取材対応窓口の仕様だ。
アンケート調査を行うにあたり、まず同社の東京アンテナオフィスに問い合わせたところ、公式ホームページにエントリーフォームがあるので、そちらから質問を送信しろとの指示があった。
ただ、そのエントリーフォームのページに入ると、「商品のご提案はこちら」「原料・資材のご提案はこちら」など、項目がやたらと細かく区切られている割に、取材対応部署が判然としない。 「広報・販促プロモーション関連のご提案はこちら」という欄もあったが、こちらはアイリスオーヤマに「ご提案」したいことなど何もなく、質問したいだけだ。そこで、「『その他のお問い合わせ』欄からでよいか」と確認すると、やはり「広報・販促プロモーション関連のご提案」から送信しろというのだが、本当に驚かされたのはここから。言われたとおりの欄から入力しようとしたところ、必須の記入項目がやたらと多く、「資本金」「年商」「取扱商品群」、さらに「主要仕入先」「主要販売先」も3社ずつ入力しないことには先に進めないのだ。
ひょっとしたら素直に記入する新聞社やテレビも過去にはあったのかもしれないが、本誌記者としてはとても真面目に答える気にはならず、「年商」の欄は「0」、「仕入先」「販売先」の欄は「答える必然性なしと判断します」と入力し送信した。
......続きはZAITEN9月号で。