ZAITEN2025年09月号
【企業倫理を問う!】
アンカー・ジャパン 製品情報が見えない〝欠陥パッケージ〟
カテゴリ:クレーム・広報
モバイルバッテリーなど、スマートフォンやパソコンの周辺機器を製造・販売する大手中国メーカー・アンカーグループの日本法人であるアンカー・ジャパン(アンカー)が、今年6月26日に同社が輸入したモバイルバッテリーの自主回収を発表した。
同社では、2024年9月にも、同様にモバイルバッテリー2種の回収を発表していたが、その回収・交換における追加調査によって新たに2種が回収対象となり、合わせて4種を自主回収することとなった。一部製品は神奈川県川崎市のふるさと納税の返礼品にもなっていた。
アンカーによると、同社が委託するセル製造サプライヤーで共通バッテリーセルの製造過程における不備が発覚。24年9月よりモバイルバッテリー2種の自主回収を実施していたが、さらに今回、セル内部の部材にグループの品質基準を満たさないものを同サプライヤーが無断で使用していたことが継続調査の過程で発覚し、新たに2種が自主回収の対象に追加されたと説明している。
こうしたアンカーの製品回収にまつわる読者からの問い合わせが本誌に届いた。
〈アンカー製のモバイルバッテリーを所有しています。 今年6月の自主回収の報道を見て、自分の使っているモバイルバッテリーが対象かどうか、品番等を確認しようとしたのですが、本体記載の文字があまりに小さすぎて視認できず、結局、会社の若手に確認してもらいました。
品番やシリアルナンバーはこうしたトラブル時の対応に必要になるものですが、特に視力が弱くなった高齢者はほとんど見えないと思いました。アンカーはこうした点の改善も考えているのでしょうか〉(読者からのメール)
プリーズ、虫めがね!
実際に、回収対象の製品に類似する同社のモバイルバッテリーを確認すると、本体背面にはリチウムイオン電池の規格などのほか、品番やシリアルナンバーが記載されていた。
読者が指摘するように、その表示は非常に細かく、視力が1・0の編集部員でもギリギリ目視できるといった具合。老眼が始まりつつあり視力矯正をしている別の編集部員にも確認してもらったが、品番もシリアルナンバーも判別できなかった。
その表示の小ささをより具体的に説明すると、本誌連載企画の「プリーズ!顕微鏡」(92頁参照)の文字列よりやや大きいが、本稿末尾の「プリーズ、虫めがね!」の文字列よりははるかに細かい。顕微鏡は大げさだとしても、虫めがねが必要になるほどの細かさというわけだ。
......続きはZAITEN9月号で。