ZAITEN2025年02月号

「ワークマン女子」を400店舗に拡大する計画

ワークマン「業績悪化」でも推し進める〝脱・作業服屋〟

カテゴリ:企業・経済

 作業服メーカー大手のワークマンが苦境に立たされている。今年の2024年2月には、24年3月期の業績予想を下方修正し、25年3月期の第2四半期の中間純利益も前年比マイナスとなっている。同社は18年より作業服市場から客層を拡大する戦略を行い「ワークマンプラス」や「ワークマン女子」といった一般アパレル業態の開発を積極的に進めている。これはワークマンの〝脱・作業服屋〟として話題になり、当初は業績も上々だった。しかし、22年をピークに営業利益は減少。低空飛行状態が続いている。  

 こうした業績悪化の原因の一つが、新規業態の既存店における売り上げ悪化である。一般アパレルの取り扱いを多くしている「ワークマンプラス」のスクラップアンドビルド既存店舗は前期比マイナス1・6%、また女性向け商品を多く扱う「ワークマン女子」既存店舗は前期比マイナス3・5%である。職人向け業態である「ワークマンプロ」既存店舗が前期比8・6%増であるのに比べて、こうした新規業態の既存店での伸び悩みが顕著である。  

 さらに〝泣きっ面に蜂〟なのは、こうした新業態の評判の悪さだ。ある職人からは、「一般客が増えて駐車場がいっぱいで、行きたいのに入れない」との声も出ている。一般向けへの業態転換により、従来のコア客層であった職人層の不満が溜まっているのだ。業績面、そして企業としての評判さえも脅かしかねない新業態だ。

......続きはZAITEN2月号で。

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