ZAITEN2025年07月号
不祥事の暴露、MBO要求、戦々恐々の〝株主提案〟
【特集】製薬業界〝火花散る〟波乱の総会展望
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株主総会の開催を控えるなか、製薬業界は、大手に関しては概ね平穏に終わりそうな気配だ。
株主総会と言えば、例年、クリストフ・ウェバー率いる武田薬品工業の創業家筋や社員OBらで構成する「武田薬品の将来を考える会」が話題となる。不正会計などが発覚した際に役員報酬を返還する「クロークバック条項」の導入につながるなど、株主提案で一定の成果を収めたこともある。
ただ、その活動は近年、総会への事前質問に止まるなどしており、今年も株主提案などは行わない模様。 同会からの株主提案の有無について質すと、武田広報は「特定の株主様との個別の対話状況や個々の案件に関して、開示しておりません」と回答するのみだった。
しかし、2014年に社長に就任したウェバーが、1年以上という異例の〝引き継ぎ〟期間を経て、26年6月に同社米国事業トップであるジュリー・キム米国ビジネスユニットプレジデントに交代することを今年1月に発表したこともあり、何らかのアクションを取る可能性も残る。
今年5月に日本たばこ(JT)の医薬品事業と、その子会社である鳥居薬品を1600億円で買収することを電撃発表した塩野義製薬の株主総会も注目株。一部アナリストからは「それだけの金額を投じて買うほどの会社なのか」という声も上がっており、妥当性に関する質問が出るかも知れない。
医薬品事業を手掛ける子会社Meiji Seika ファルマ(Meij)などを擁する明治ホールディングス(HD)の株主総会も一波乱ありそうだ。というのも、Meijiトップの小林大吉郎が社長を退任するため。
......続きはZAITEN7月号で。