ZAITEN2026年9月号
「持株会社制度」不毛の30年
持株会社がガバナンス不全を生み出す「ホールディングス」の形骸化
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1997年、戦後日本の経済民主化を支えてきた独占禁止法第 9条(当時)が改正され、それまで原則禁止とされてきた「持株会社(ホールディングス)制度」が半世紀ぶりに解禁された。戦前の財閥が純粋持株会社(自らは収益性のある事業を行わず、株主として子会社を支配する企業)として産業支配を強めていたことをふまえ、こうした特定の企業形態を長らく禁じていた。だが、バブル経済の崩壊によって疲弊した日本経済を立て直すことを期待し、当時の経済界やメディアは「グローバル競争力の強化」「機動的な事業再編を可能にする経営イノベーション」と、この規制緩和を諸手を挙げて歓迎した。
しかし、解禁から約30年が経過した現在、果たして企業の〝ホールディングス化〟が企業価値を高めるような効果があったのか、組織や制度そのものの構造的な歪みに目を向ける必要がある。
財閥のような純粋持株会社の本質は、自らは具体的な経済活動を行わず、事業会社である子会社の株式を所有してグループを支配する組織形態だ。この構造は、経営の「権限」を本社に集中させる一方で、現場の「責任」を別法人である子会社へ押し付けるという、企業のあらゆる経営責任を「都合よく分断する装置」として機能してきた側面が強い。
90年代後半から2000年代初頭にかけて、株式交換・株式移転制度(99年)や会社分割制度(00年)といったホールディングス化を後押しする周辺法益が急速に整備されていった。こうした制度で業界再編が加速したのが金融業界だ。現在のメガバンク体制に繋がる銀行の大合併やホールディングス化は、当時、まさに経営者の責任逃れとして機能した。
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