ZAITEN2026年10月号

時価総額「日本一」に沸く

三菱UFJ「得意絶頂」でも〝高転びの足音〟

カテゴリ:TOP_sub

「ニッポン金融界復権の証だ」「世界の金融グループトップ5入りに向けて大きな弾みが付いた」
 7月13日夕、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)社内では、社長の半沢淳一(1988年旧三菱銀行)ら経営陣の間で威勢のいい声が飛び交った。東京証券取引所プライム市場に上場するMUFGの株式時価総額が42兆円超に膨らみ、トヨタ自動車を抜いて国内首位に浮上したからだ。金融機関が時価総額トップに立ったのは、1986年の旧住友銀行以来、約40年ぶりの出来事。東日本大震災が発生した2011年には、MUFGの時価総額が5兆円を下回っていたことを考えれば、浮かれたくなる気持ちも理解できなくもない。

 株価上昇の背景には、日銀の利上げによる金利上昇で貸出利息が伸び、投資家の業績拡大期待が高まったことがある。MUFGの26年3月期の連結純利益は前期比30・3%増の2兆4272億円と初めて2兆円の大台を突破。27年3月期の純利益は2兆7000億円と更なる拡大を見込んでいる。メガバンク2位の三井住友FG(SMFG)に1兆円近くの格差を付けるダントツぶりで、半沢らも「国内にもはや敵なし」との思いを強めていることだろう。

 だが、実態は200兆円を超す国内金融機関最大の資金量に日銀の利上げという僥倖が重なった結果の「棚ボタ」(金融庁幹部)とも言える。利上げが打ち止めとなり、金利上昇が頭打ちになれば、今のような超好業績は期待できなくなる。真の収益力が試されることになるが、果たして2兆円を超える利益のどこまでが実力ベースなのか、判然としないのが実情だ。時価総額トップの座を再びトヨタに奪われたのは、市場がMUFGの収益力の持続性を半信半疑で見ているからにほかならない。

出遅れたリテール戦略

「リテール業務は他の2メガバンクに明らかに見劣りする。金利上昇によるかさ上げ効果がなくなった後も国内銀行業務で勝ち続けられるかは分からない。

......続きはZAITEN10月号で。

購読のお申し込みはこちら 情報のご提供はこちら
関連記事

国際卓越研究大・東北大への「低配分」と「出資負担」

JR東日本「品川再開発」は〝絵に描いた餅〟

三菱UFJ「得意絶頂」でも〝高転びの足音〟

三井住友信託銀行が強行する「過酷リストラ」

IHI・三菱重工がうなされる「原子力船」失敗の悪夢

高市財政の「暴走」で米国の〝植民地化〟

【特集】客室乗務員の「質とモラルの低下」はなぜ止まらない

【特集】鳥取三津子社長に現役機長2名が「辞職勧告」

東京電力社員と家電メーカーの〝不適切な関係〟

西武HD「回転型ビジネス」の終焉