2022年06月号

森下仁丹〝仁〟なき障害者雇い止めの横暴

カテゴリ:事件・社会

 森下仁丹は大阪市に本社を置く医薬品メーカーであり、ロングセラー商品、「仁丹」の製造元として知られる。仁丹の「仁」は儒教の根本を成す徳のひとつで「慈しみ」や「思いやり」を意味するが、そんな思想とは真逆な雇い止めが同社で発生した。


 A氏は先天性の吃音症であり、慣れない環境では緊張が増すなどの発達障害があった。社外との電話応対等には差し支えることがあったが、それ以外の内勤業務への対応は問題なく、経験を保持していた薬剤・医薬品の研究開発職で障害者雇用枠を探していた。


 そんな折、障害者専門の人材紹介会社から「経験を活かせる」として紹介を受けたのが森下仁丹だった。同社の大阪テクノセンターでの医薬品開発業務はA氏の希望に合致するもので、正社員登用の可能性がある契約社員として昨年2月に採用された。選考時、会社側からはA氏に「長く働いて欲しい」と期待をかけられていた。


 紹介会社は推薦時に「今まで雇用が安定しなかったので、うまく経験が積めてない」「環境に慣れるまでは緊張が続く体質のため、当初は急かさずに業務に当たれるよう配慮して欲しい」と付記し、森下仁丹社もその旨を了承の上で採用したはずだった。

......続きはZAITEN6月号で。

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