2020年12月号

振り返れば“利権宰相”の影

GoTo混乱で観光庁長官「処分」に菅首相の人事介入

カテゴリ:企業・経済

政府は10月13日、「GoToトラベル」の割引分の原資となる給付金枠について、追加配分を表明した。楽天、じゃらん、ヤフーの大手OTA(インターネット専業旅行会社)各社は給付枠が不足する恐れがあるとして旅行費用の最大35%(1万4000円)の割引を引き下げることや、申し込みを1回までにするといった独自の制限を設けたことへの対応だった。

 安倍前政権時にコロナ禍対応の経済対策として経済産業省が主導したGoToキャンペーンは、旅行部分だけは観光庁が切り出して1兆円を優に超える空前の規模で公示された。宿泊施設を含む各社への給付金については、主に前年の旅行取扱実績額に応じて割り当てられた結果、パッケージツアーを主に取り扱うJTBやKNT‐CTホールディングス(近畿日本ツーリスト他)など、旧態の大手旅行会社に多くが配分された。

 ところが、実際には「GoToの予約が殺到したのはOTAばかり」(旅行業界関係者)。結果、予算配分が大手に比べて少なかったOTAは予算を早くも使い切ってしまいそうな事態に陥り、制限を設けることで大騒動になったというのが、今回の顛末だ。

......続きは「ZAITEN」2020年12月号で

購読のお申し込みはこちら 情報のご提供はこちら
関連記事

SBI北尾が宣う「新生銀の上場時時価総額」に市場が難色

ダルトン「買収防衛策」包囲網で万事休す

田辺三菱「高給取り新経営陣」起用の〝放蕩ぶり〟

日本製鉄〝鬼っ子〟USスチールの「深刻な危機」

令和の「信用金庫・信用組合クライシス」

東京電力 経産省が完全国有化目指すも「資金繰り破綻」寸前

【特集2】東急の「渋谷再開発」がダメダメな理由

【特集1】「洋上風力開発破綻」で始まる〝撤退ドミノ〟

【特集1】中西社長に問われる〝責任問題〟追及の大合唱

【特集1】三菱商事が抱える「欧州最大規模の環境汚染」