ZAITEN2023年10月号

大王製紙の株は今すぐ手放せ

大王製紙元社長 井川意高が語る「お先真っ暗」の製紙業界

カテゴリ:インタビュー

いかわ・もとたか―1964年、京都府生まれ。東京大学法学部卒業後、87年に大王製紙に入社。07年に大王製紙代表取締役社長に就任、11年6~9月に同会長を務める。著書に『熔ける 大王製紙前会長 井川意高の懺悔録』『熔ける 再び そして会社も失った』(ともに幻冬舎文庫)など。

―今の製紙業界全体についてどのように見ていますか?
 今年の3月期の決算、日本製紙も大王製紙も最終赤字。そんな中で王子製紙は黒字でした。レンゴーは段ボール業界のトップ企業という認識なので、今回は議論から外します。  

 日本製紙の工場を見わたしても、今私が大王製紙の経営者だとして、欲しい工場は一つもないですね。かつては競争力のある工場だと思われた石巻工場もピーク時のフル生産能力からは大きく減産。製紙工場は設備投資の金額が大きいので、損益分岐点が非常に高い。減産イコールコストの跳ね上がりとなりますが、今後もますますペーパーレス化は進み、先はありません。  

 日本製紙の経営の悪いところは問題を先送りするところです。どこかの工場を完全閉鎖するという決断を下せずきたのが今日の厳しい状況かなと思います。日本製紙はもはや野垂れ死にしかないし、王子製紙もそれを狙っているんじゃないかと思います。

 元々、日本の製紙業界は第二次世界大戦が終わるまで王子製紙が9割近いシェアを持っていました。それが戦後、過度経済力集中排除法によって3社(苫小牧製紙=後の王子製紙、十條製紙=後の日本製紙、本州製紙)に分割されました。このうち王子製紙と日本製紙は今日まで存続できましたが、本州製紙は経営が立ち行かなくなり、王子製紙に救済合併されます。前2社は新聞用紙を生産していましたが、本州製紙はほとんど作っていなかったからです。戦後日本では新聞用紙の利益率が高かったのです。

......続きはZAITEN10月号で。

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