ZAITEN2024年10月号
【企業倫理を問う!】
マルコメ「リピーターの少なさ」を自ら晒す〝不思議〟広告
カテゴリ:クレーム・広報
広告には商品広告や企業広告、ブランディング広告、記事広告などがあるが、商品や企業の魅力をアピールする広告だけでなく、消費者の生の声を反映したアンケート形式の広告を出稿する企業も少なくない。その狙いは、広告臭を抑えながら商品のメリットを伝え、好感度を上げることにある。 そんなアンケート形式の広告に関して読者からメールが寄せられた。
〈新聞を読んでいると、発酵飲料に関わるアンケート結果がありました。健康に関心があったので目を止めたところアンケート形式のマルコメの広告でした。
アンケートの項目は、「マルコメの発酵飲料の継続購入意向」「マルコメの発酵飲料に関する購入経験」「マルコメの発酵飲料に関する購入動機」でした。
継続購入意向に関しては、85%以上が「買ってみたい」と回答した、と数字を大きく強調しています。しかし、その下に購入経験に関する結果があり、継続購入しているのは約15%で、約30%が購入経験はあるが継続していないとあります。つまり、継続購入しているのは購入経験者の半数しかいないことになります。
これはマルコメの発酵飲料を「買ってみたい」と思って買っても、何らかの理由でリピートする価値はないと判断したと読み取れてしまいます。
企業が自ら自社商品の不人気を示しているようで、率直な感想として、不思議な広告だなと思いました。ぜひマルコメの見解を聞いてみたいです〉(読者のメールより)
今後の購入に期待
マルコメは長野県長野市に本社を構える食品企業だ。家庭用、業務用の味噌をはじめ糀商品、大豆商品の製造販売を行っている。会社設立は1948年だが、創業は1854年とペリーが浦賀に来航した翌年まで遡る老舗企業だ。
読者が指摘しているマルコメのアンケート広告を編集部でも確認したところ、8月5日の読売新聞朝刊に出稿されていた。
.....続きはZAITEN10月号で。