ZAITEN2024年12月号
日大病は治らない
【インタビュー】「日大改革を妨げている林理事長〝忖度〟マスコミ」
カテゴリ:インタビュー
『日大病は治らない』
廣済堂新書/950円+税
わだ ひでき―1960年生まれ。精神科医。和田秀樹こころと体のクリニック院長。川崎幸病院精神科顧問。一橋大学経済学部非常勤講師。立命館大学生命科学部特任教授。おもな著書に『80歳の壁』(幻冬舎新書)、『80歳の超え方』、『100歳の超え方』(いずれも廣済堂新書)など多数。
約1年半にわたって常務理事として日本大学の運営内部を経験し、最後は不本意な形で辞職した経緯から、この巨大組織に根付く問題を〝日大病〟と名付けました。
まず根本的な大前提として、日大という組織には改革が必要だということです。これは2018年に発覚したアメフト部の「悪質タックル問題」、21年に脱税で起訴され、有罪判決を受けた田中英寿元理事長による独裁的な組織運営を改めることを意味しています。
改革が期待されて新たに就任した同校出身で作家の林真理子理事長下で23年7月に新たに発覚したアメフト部の「大麻問題」の顛末は改革の必要性がより鮮明になったと言えます。受験業界では私立中堅として日東駒専(日大、東洋大、駒沢大、専修大)と呼ばれ、このグループのなかで入試偏差値も受験者数もトップだった日大が東洋大に抜かれるなど、そのブランドは地に堕ち、改革の必要性はよりひっ迫してきています。にもかかわらず、日大病がその改革を妨げています。
曖昧な責任の所在
日大病の1つは、変化を恐れる極めて保守的な組織ということです。「大麻問題」の顛末がまさにそうでしたが、学生の問題は教学の責任であり、経営と教学の分離が改革の大前提であったはずなのに、最終的に当時の教学のトップである酒井健夫元学長、澤田康広元副学長の2人は引責辞任しましたが、経営のトップである林理事長はどこかのタイミングで守旧的な学部長たちに絡めとられ、教学側の言いなりになってしまった。
......続きはZAITEN12月号で。