ZAITEN2024年12月号

経済同友会で業務上の〝失敗〟を自ら発表

日本カストディ銀行・土屋社長「不正問題公表」にどよめき

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 本誌9月号では日本カストディ銀行(CBJ)の田中嘉一元社長による不正行為発表と、それに対する名誉棄損訴訟問題で分かった新たな事実を詳報した。CBJは損害が発生していないことをわかった上で、不正行為を公表していたのだ。  

 筆者が指摘したのは、CBJが2023年6月9日の「元取締役による不正行為について」という発表文について、誰がどのような不正を行い、どの程度の損害が発生したのかに一切触れていないという不明瞭な点があり、多くの問題があるということだ。  

 さらに、金融庁が第三者による真相究明の求めに対して、CBJは23年10月12日に何故か、ガバナンスの検証を行う第三者委員会を設置した。結果、24年4月19日に発表された同委員会の報告書で、不正問題は「潜在的な利益相反の可能性を含む契約形態」の「外部委託案件が一定数確認された」との表現にとどまり、違背行為を認定するものではなかった。  

 ところが、5月31日にCBJは田中元社長からの名誉棄損に基づく損害賠償請求訴訟に対して、請求棄却を求め応訴、さらに不正問題の社内調査に要した費用を、田中元社長に請求する民事訴訟を提起する予定だと発表した。これらの点から筆者は、CBJが提起する民事訴訟が調査費用に対するものであり、不正による損害ではないことや、最初の「元取締役による不正行為について」で記載されている刑事上の扱いがまったく進展していないことから、「不正行為の発生があったのかが疑わしい」と指摘した。

......続きはZAITEN12月号で。

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