ZAITEN2025年06月号

立教大学教授 砂川浩慶

【特集】「記者クラブ依存」のメディアに未来はない 立教大学教授 砂川浩慶

カテゴリ:事件・社会

記者クラブ「メディア腐敗の元凶」

 日本独自の制度にして、日本の報道機関の特殊性の象徴でもあるとされる「記者クラブ」は、戦後、何度も批判に晒されてきた。メディアの環境が激変を遂げるなかで記者クラブは存続可能なのか。また、存続する意味はあるのか。立教大学社会学部でメディア政策を研究する砂川浩慶教授に尋ねた。

GHQは解体を企図

 記者クラブの起源は、1890(明治23)年に第1回帝国議会が開会された際に、新聞記者の傍聴取材を禁止しようとした議会側に対して記者たちが結成した「議会出入り記者団」にあります。つまり、情報を隠蔽したい公権力に対して報道機関側が団結し、本来的な意味でメディアスクラムを組むことで取材の自由を勝ち取ろうしたわけです。近年定着した、社会的関心の高い事件や事故で、容疑者や被害者、関係者などに多数の取材陣が押し寄せ、強引な取材を行う、という意味でのメディアスクラムではありません。  

 ところが第二次世界大戦の時代、記者クラブは「取材の自由」を勝ち取るどころか政府の発表を政府の意向どおりに報じる御用機関に堕してしまいました。

......続きはZAITEN6月号で。

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