ZAITEN2025年07月号

公共放送として、あまりに不誠実

NHK「旧ジャニーズ問題検証番組」で〝証言者〟に脅迫疑惑

カテゴリ:事件・社会

 ジャニー喜多川氏による性加害問題で被害者への補償を進める「SMILE―UP.」(SU)が、被害を申告した男性に対して補償金の支払い義務がないとする訴えを千葉地裁に起こし、男性側がSU側の主張を認める形で裁判が終了した。  

 男性は20年以上前の2002年に東京都渋谷区のNHK放送センターのトイレ個室で性被害を受けたとしてSUに対して補償金の支払いを求めていた。

だが、被害に遭ったとされる当時、ジャニー氏が海外にいたことなどがジャニー氏のパスポート記録から確認されているなど証言の信用性が乏しかった。そのためSUは、補償金の支払い義務がないことを確認する債務不存在確認訴訟を起こしたのである。今年2月、男性側はSUの主張をすべて認める「認諾」をして、訴訟は終結した。

 一方で、一連の性加害問題が表面化し、世間が大騒ぎとなっていた23年10月、男性を取材したNHKは、その証言を当時のニュース等で報道していた。

「性加害問題の根底に横たわる温床として芸能事務所とメディアとの癒着の象徴的な事例として報じられたニュースだった。しかも、問題の当事者であるNHK自身がスクープとして男性の証言を取り上げ、長年疑惑として燻ぶっていた問題の〝膿を出し切る〟というジャーナリズムの姿勢が当時は好評されていた印象だった」(マスコミ関係者)  

 当時、新聞やテレビといったマスコミ各社はこのNHKの〝スクープ〟を大々的に取り上げた。

......続きはZAITEN7月号で。

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