ZAITEN2025年08月号
三越伊勢丹、高島屋、大丸松坂屋……
百貨店が溺れる「免税品販売」高額リベートの謎
カテゴリ:事件・社会
コロナ禍を経て外国人観光客数が伸び、百貨店業界は活況が続いている。外国人観光客への免税品売り上げ総額は、昨年1年間で約6500億円に達して過去最高を記録した(日本百貨店協会に加盟する87店舗の売り上げ総額)。
外国人観光客は百貨店・量販店・ドラッグストアなど、税務署の認可を受けた免税店で消費税を免税されて購入できる。百貨店業界は斜陽産業とされるが、中国をはじめとしたアジア系観光客は百貨店を好む傾向が強く、百貨店にとって大きな収益源となっている。 この百貨店業界の免税品販売事業の影に、巨大な事業者が存在している。
免税品販売では、購入者のパスポート情報や購入内容を国税庁長官に対して送信する必要がある。その手続きにおいて免税店と契約して、免税事業システムを提供しているのが、正式には「承認送信事業者」と呼ばれる免税事業者であり、その〝巨人〟が、世界市場シェア70%を誇る最大手のグローバルブルー(スイス)なのである。
グローバルブルーは、欧州で免税制度がスタートした1980年代初頭に事業を開始し、90年代にヨーロッパとアジアの15カ国以上に進出、20年に米ニューヨーク証券取引所に上場、売り上げは約704億円(現時点、1ユーロ167円換算)を計上している。
日本では、現行の免税制度が導入された前年の13年、NTTデータと合弁でグローバルブルー・ティエフエスジャパンを設立、百貨店業界をターゲットにして契約を進めた。 「当時、免税事業者はグローバルブルーと国内旅行会社系の2社しかなく、グローバルブルーは百貨店向け免税システムで9割のシェアを握ったのです」(免税事業者)
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