ZAITEN2025年11月号

〝やり過ぎた〟アクティビストの末路

ダルトン「買収防衛策」包囲網で万事休す

カテゴリ:企業・経済

 フジテレビを巡る攻防で一躍、名を揚げた米投資ファンドのダルトン・インベストメンツ(ダルトン)。今年6月の株主総会では、投資企業の社外取締役のポジションを確保するなど快進撃を続けてきたが、ここに来て雲行きが怪しくなってきた。株付けをしてきた、あすか製薬ホールディングス(HD)、文化シヤッターから相次いでダルトンを標的とした買収防衛策を喰らい、厳しい状況に陥りつつあるからだ。最高投資責任者(CIO)のジェームズ・ローゼンワルドは、1人意気揚々なものの、内部では足並みが乱れているとの情報も飛び交う。

 果たして、荒ぶるアクティビスト(物言う株主)ダルトンの行き着く先は―。 「市場原理に加え、会社法の原則をもゆがめようとする行為」「経営者の保身」  

 9月9日、ダルトンはあすか製薬HDと文化シヤッターの株主や市場関係者、メディアを宛先とする公開書簡でこうなじった。  

9月18日時点で、あすか製薬HDでは約21%、文化シヤッターでは約19%の株式をダルトンが握る。これ以上の買い増しを防ぐために、あすか製薬HDが7月に新株予約権を用いた対抗措置を明らかにしたのは本誌10月号で報じた通りだ。その後、9月3日に文化シヤッターも似たような内容の防衛策導入を発表した。9日付のダルトンの公開書簡は、こうした両社の動きに苛立ちを露わにしたものと言えよう。



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