ZAITEN2026年3月号

人権DDに対し検証もせず〝身内〟業者の言い分を「引き写し」

UACJ「外国人労働者差別」と「隠蔽加担」

カテゴリ:企業・経済

アルミ製造最大手UACJの社宅で、タイ人労働者たちが、劣悪な環境に追いやられていた疑いが 浮上した。「ディスクロージャー優良企業」などと冠される資格がこの会社のどこにあるのか。

 日本証券アナリスト協会は、昨2025年10月、同年度の「ディスクロジャー優良企業」の鉄鋼・非鉄金属分野の第1位にアルミ最大手UACJを選出した。

「経営陣のIR姿勢」や「ESGに対する取組姿勢」が積極的で、「人権リスク、労働安全衛生に関する情報を開示している」ことなどが選定理由だ。  

 だがUACJの実像は、このような高評価を受けるに値しない隠蔽体質を内包している。明らかにそう断言できることが、少なくとも過去に2度起きている。  

 UACJの製造現場が非常に危険であり、過去13年の間に3度の死亡事故が発生していることは本誌26年1月号で詳述した通りだが、同社は、これとは別に過去に労災隠しを行い、書類送検されている。17年7月、名古屋製造所の現場で社員が火傷を負ったにもかかわらず、労働基準監督署へ届け出なかったのだ。  

 また15年8月には、UACJは重要生産拠点として、タイのラヨン製造所で一貫生産を開始したが、その約半年後の16年3月26日、同製造所の機械油貯蔵タンク付近のアルミ板圧延設備から出火し、6台もの消防車が出動する大火災が発生した。この火災により、重要な機械設備が損傷している。  

 ラヨン製造所は海外戦略においてUACJ社内外の大きな期待を集めた拠点だ。  

 UACJでは筆者の取材に対し、「ご指摘の火災については、当時、 直接影響を与えたステークホルダーへのご連絡、関係当局への報告、メディア対応を実施しております」としているが、同社が、この火災の事実をIR情報として公表したことは、今日まで一度たりともないのである。

......続きはZAITEN3月号で。

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