ZAITEN2026年3月号

深刻なジレンマが浮き彫りに

【特集2】MUFG「既定路線トップ交代」のモラルハザード

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前代未聞の貸金庫窃盗事件など、数々のスキャンダルで経営責任を問われた銀行頭取の半沢淳一が 4月1日付でFG社長に昇格。旧三菱銀勢支配を続けようとする経営陣の内向き論理が際立つ。

 不祥事を起こしても好業績であれば、世論もマスコミも黙らせられる−。三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)が公表したトップ交代人事は、そんな経営陣の驕りやモラルハザード(倫理観の欠如)ぶりが透けて見える。元女性行員による貸金庫からの多額の金品窃取という前代未聞の事件をはじめ、数々のスキャンダルで経営責任を問われたはずの三菱UFJ銀行(BK)頭取の半沢淳一(1988年旧三菱銀行)が既定路線通りに4月1日付でFG社長に昇格することになったからだ。現FG社長の亀沢宏規(86年同)は記者会見で「新しい時代の変革を引っ張ってほしい」などと半沢を持ち上げたが、BK頭取在任中に2度も社内処分を受け、顧客の信頼を毀損した人物に15万人を超える従業員を抱える日本最大の金融グループのかじ取りを任せて大丈夫か。

亀沢の「わがまま人事」

「人工知能(AI)ネイティブな組織にしないといけない」。昨年12月中旬に開かれたMUFGのトップ交代発表の記者会見。半沢は開口一番、こう述べ、金融のデジタル化を推進する考えを強調した。東大大学院理学系研究科修了という銀行界では異例の経歴で「デジタルオタク」を自任する現FG社長の亀沢から禅譲を受ける身だけに、「経営路線を継承する」と恭順の意を示す必要があったのだろう。  

 実際、亀沢はBK頭取の後任に、デジタル部門の責任者などを務めたFG代表執行役専務・コーポレートバンキング事業本部長の大沢正和(91年同)を指名している。ポスト半沢の頭取レースでは、経営企画畑が長く、トップへの登竜門とされる全国銀行協会会長行室長も務めた保守本流のエースで代表執行役専務・CSO(最高戦略責任者)の高瀬英明(91年同)も有力視されていた。だが、自らのデジタル金融戦略の継承にこだわる亀沢は、二人三脚で海外アプリ企業への出資などを手掛けてきた「子飼い」の大沢を選んだ。

......続きはZAITEN3月号で。

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