ZAITEN2026年5月号
イラン戦争が追いうち――
【特集2】植田日銀「高市の反利上げ」で金融正常化頓挫
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日米の「暴君」が世界経済や国際金融市場を揺さぶっている。総選挙に大勝し「全知全能感」に浸る首相の高市早苗は、市場の警告も無視して消費税減税やサナエノミクスの財政拡張に邁進。日本国債や円の暴落リスクを高めている。一方、独善極まる米大統領のトランプはイスラエルの尻馬に乗せられてイランを攻撃、世界をエネルギー危機に陥れた。物価高騰と景気後退が同時進行するスタグフレーション懸念が広がり、インフレ退治と景気の下支えというトレードオフに股裂きにされた各国の中央銀行は、金融政策の方向性を決めあぐね苦悩を深めている。
中でも悲惨なのは日銀だ。政策金利が年0・75%と、物価上昇率(2025年年間で3%程度)を大きく下回る水準にあり、本来なら、中東危機を受けた広範なインフレリスクを抑える観点から利上げ路線を進めるのが金融政策の常道と言える。だが、積極財政と金融緩和で意図的に景気を蒸かして経済成長を目指す「高圧経済」を信奉する高市には、そんな経済学の常識が通用しない。
取り巻きのリフレ派の間からは、むしろ利下げや量的緩和の復活で景気を刺激するよう求める声が出ているほどだ。強烈な政治圧力を前に追加利上げを封じられた日銀は、23年4月に植田和男が総裁に就任して以降、最大のマンデートとして進めてきた金融政策の正常化路線が頓挫し、インフレ地獄に嵌りかねない危機に立たされている。
審議委員に「リフレ」派が2人
「会談は定期的なもの。細かい内容は話せないが、一般的な経済・金融情勢に関する意見交換だ」「金融政策への要望は特になかった」
2月16日、官邸で高市との会談を終えた日銀総裁の植田は、記者団にこう短くコメントしただけで足早にその場を去った。
......続きはZAITEN5月号で。







