ZAITEN2026年4月号

〝田舎造船〟が舵を握る斜陽産業

復活目指す「造船大国」は〝転覆前夜〟

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〝田舎造船〟が舵を握る斜陽産業

高市政権が掲げる「造船大国ニッポン復活」。そのために政府は1兆円の基金を創設するとぶち上げた。 だが、〝田舎造船〟が細々と造る斜陽産業に再び陽が昇るとは思えない。

 2月の総選挙で大勝した高市早苗政権が掲げる「造船大国ニッポン復活」。日本造船工業会は昨年10月、「造船能力倍増計画」を打ち出し、政府は「1兆円の官民基金創設」で支援する方針だが、現在の業界牽引役は今治造船(愛媛県今治市)、常石造船(広島県福山市)など地方に群雄割拠する〝田舎造船〟。貧困な情報開示や旧態依然の同族経営などガバナンスに深い闇を抱える企業がズラリと並び、官民基金1兆円について「ドブに捨てる可能性が拭えない」と危ぶむ声が蔓延している。

世界シェア維持のための増産

 政府が12月にまとめた「造船業再生ロードマップ」によると、現在約900万総㌧の国内年間船舶建造量を35年に1800万総㌧へ倍増させるとし、建造能力向上に向け必要な設備投資額を1兆円と試算。業界が3500億円を自身で負担し、残る6500億円のうち、3500億円を政府の「造船業再生基金」で賄い、3000億円は既存支援制度でカバーする。

 ところが、1973年の第1次オイルショック以来、半世紀余り「縮小均衡」の繰り返しだった造船業界から高揚感は伝わってこない。無理もない。80年代まで世界市場で5割のシェアを握っていた日本の造船業は90年代以降、まず韓国勢、続いて中国勢の台頭で瞬く間に追い抜かれ、10年代には20%程度にシェアが低下。事業立て直しに失敗を繰り返した三菱重工業をはじめ大手メーカーの再編・撤退に拍車が掛かり、24年の世界造船受注高の国別シェア(英クラークソンズ・リサーチ調べ)では、中国の約71%、韓国の約14%に続く3位の日本のシェアは約8%と一桁台に転落してしまった。

......続きはZAITEN4月号で。

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