2021年03月号

中韓勢には太刀打ちできない日本シップヤード

今治造船・JMU「造船新会社」暗雲の船出

カテゴリ:企業・経済

「造船王国ニッポン」の看板が揺らいで久しい。世界の新造船市場で1990年に4割強だった日本の受注シェアはこの30年間で半減、韓国、中国のライバル勢に次々に追い抜かれた。国内最大手の今治造船と2位のジャパンマリンユナイテッド(JMU)は昨年、資本提携に合意し、年明けに鳴り物入りで共同出資の新会社を立ち上げたが、この親会社2社を合わせても世界シェアは1割強。しかも両社とも前期に赤字転落し、ジリ貧に拍車が掛かっているのだ。

シェア3割を窺う韓国企業

「日本を引っ張る、日本に造船を残す。この2つの意味で社名に『日本』を付けた」

 1月6日、今治造船が51%、JMUが49%それぞれ出資する船舶営業・設計の新会社、日本シップヤード(NSY)が発足。社長に就任した前田明徳(JMU取締役専務執行役員を兼務)は意気込みをこう訴えた。

 NSYは従業員約510人。今治造船の所有で、同社東京支社が入居する東京・有楽町の日比谷マリンビルに本社を置く。営業部隊のほか、横浜市や愛媛県今治市、香川県丸亀市に設計部隊を配置し、顧客基盤を共有する。「JMUの技術力には定評があり、人材が分散して中韓勢に遅れをとっていた設計作業のリードタイムの短縮などに結びつけたい」と今治造船幹部は期待を膨らませる。

......続きは「ZAITEN」2021年4月号で。

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