2021年04月号

年間100万件の相談に対し「処分」は100件足らず……

消費者庁「消費者保護より天下り」の無責任官庁

カテゴリ:クレーム・広報

 明治以来、永く産業育成に軸足を置いてきた日本の行政を、消費者重視の方向へと転換するための司令塔になることを期待されて2009年9月に内閣府の外局として発足した消費者庁。だが、創設されて10年以上が過ぎたものの、その期待に応えられているとはお世辞にも言い難い。

 消費者問題に詳しく、NPO法人「消費者市民サポートちば」の理事長も務める拝師徳彦弁護士は、消費者庁の実力不足を示す端的な例として、「全国消費生活情報ネットワークシステム(PIO―NET=パイオネット)」が集計している、全国の消費者が国民生活センターや地方公共団体の相談窓口に寄せた苦情相談の件数が減らないことを挙げる。

「直近3年間の消費者相談の件数をPIO―NETベースで見ると、18年度が99万6498件、19年度の相談件数は93万4944件。近年の相談件数の増加は架空請求の影響が大きいと考えられますが、この点を考慮しても、消費者庁創設から10年間、相談件数はずっと90万件から100万件の間で高止まりしています。特に高齢者が狙われがちな訪問販売や電話勧誘販売の合計相談件数が18年度に13万5564件、19年度に14万6856件とほとんど変わっていません」

 訪問販売のほか通信販売、電話勧誘販売、連鎖販売取引(マルチ商法)など、悪質・強引な勧誘が起こりやすい形態の販売を行う事業者に対しては、特定商取引法(特商法)による規制が設けられており、違反事業者には消費者庁のほか地方経済産業局、都道府県が事業停止命令や指示などの処分を下せることになっている。だが、消費者庁による特商法違反業者に対する処分例は、同庁が創設された09年度からずっと年30~40件程度にとどまってきた。18年度に58件、19年度は89件とここに来てようやく増加傾向にあるのも事実だが、先に見た相談件数から考えればまだまだ物足りない数字なのである。

〝寄せ集め所帯〟の現実

 多すぎる相談件数に対して、少なすぎる処分件数。この落差を生んでいる最大の要員は、消費者庁のマンパワー不足にあると前出の拝師弁護士は言う。

 創設時には経済産業省や公正取引委員会など、8課202名の体制でスタートした同庁の職員数(定員)は、今年度がスタートした4月1日時点では370人。これは同じ外局でも、経産省の外局である資源エネルギー庁の定員446人と比べても少なく、法務省の公安調査庁(1650人)、財務省の国税庁(5万5953人)などとはもはや比較にならない陣容だ。

......続きは「ZAITEN」2021年4月号で。

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