2021年06月号

「旭日中綬章」を受章“食酢の王様”が娘可愛さで――

ミツカン中埜和英会長「表参道地上げ」の現場

カテゴリ:企業・経済

ミツカン_中埜和英会長カラー.jpg中埜和英・ミツカンHD会長(同社資料より)

 旭日中綬章―。勲章の色ほど市井の人に判別し難いものはないが、試みに内閣府のサイトを開くと、旭日章と瑞宝章の授与対象は〈国家又は公共に対し功労のある方〉とある。瑞宝章が公務に携わった者が対象なのに対し、旭日章は〈功績の内容に着目し、顕著な功績を挙げた方〉に授与されることになっているのだそうな。中でも中綬章は大綬章、重光章に続く3番目の格式があるものらしい。

 こう説明されてもよく分からないものの、功成り名遂げた者は勲章の色を気にし出すというから、左様に有難いものなのだろう。

 そんな旭日中綬章を昨年11月に贈られた42人の中にミツカンホールディングス(HD)代表取締役会長の中埜和英(70)がいる。「酢」でお馴染みのミツカングループの総帥にして、酒造・酢醸造を手掛ける中埜又左衛門家の8代目。なお、自身も2003年に「又左衛門」を襲名したが、14年にはなぜか元の和英の名に戻している。

 他方、ミツカングループの20年2月期の売上高は2407億円、償却前営業利益(EBITDA)は257億円に上る。また、海外売上高比率は5割超に及び、テレビCMをはじめ、広告宣伝活動も旺盛に展開。全国区の会社であるが、いまだ非上場を貫き、本社も創業の地、愛知県半田市に構えたままの〝地方企業〟である。

 そんな中埜の叙勲理由は「産業振興」とされるが、「1804年創業の社齢や企業規模に加えて、それなりの〝努力〟を払ったはずだろうし、ま、妥当な色だろう」(財界筋)。なお、昨年の叙勲では経済界からはトヨタ自動車会長の内山田竹志、パナソニック元社長の中村邦夫が2段階上に当たる大綬章を、1段上の重光章をデンソー元社長の深谷紘一が受章していることを考えると、ミツカンの社格も分かろうというもの。

 しかしながら、尾張半田で勲章を垂れ「食酢の王国」の主として納まっていないのが、この御仁。なんでも東京の都心一等地の不動産を熱心に物色し、いわゆる「地上げ」にまで乗り出しているというから穏やかではない。

逮捕者も出た〝垂涎のビル〟

 東京・渋谷区神宮前―。「表参道ヒルズ」の真向かい、表通りに面した超一等地のビルがその舞台である。一見すると、1階には海外ハイブランドのショップがテナントとして入り、最新ファッションの発信地という光景とは裏腹に、今、このビルを巡って〝泥沼の争い〟が起きているのだ。

 渦中のビルは1971年の築。当初は銀行家一族が建造し、5~6階部分を居宅にしていたが、やがて没落。賃貸部分も含めてすべての所有権を手放し、平成に入ってからは「ハナエモリ」の森英恵一家と、不動産業を手掛けるA家の2家が所有してきた。モデル・タレントの森泉の生家でもある。

......続きは「ZAITEN」2021年6月号で。

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