ZAITEN2022年1月号

「規制撤廃」のアジテーションの背景に我田引水の魂胆

【経済安保特集】岸田政権でも残留「竹中平蔵」が損なう経済安保

カテゴリ:企業・経済

竹中平蔵_公式.jpg

竹中平蔵氏(写真は公式サイトより)

「新自由主義からの転換を謳う今の政権にも取り入るとは......。政治家顔負けのしぶとさだ」

 霞が関でこう呆れられるのは、慶応大名誉教授にして人材派遣大手のパソナ会長を務める"元祖・学者政商"の竹中平蔵だ。前首相の菅義偉のブレーンを公言した竹中は、自民党総裁選でも菅一派の河野太郎を熱烈に支援。岸田文雄政権の発足で排除されると思いきや、岸田肝いりの「デジタル田園都市構想実現会議」のメンバーにちゃっかり潜り込み、「国家戦略特区諮問会議」の民間議員の座も死守した。有頂天の竹中は、岸田の看板政策「新しい資本主義」にも「第3次臨時行政調査会を立ち上げるくらいの覚悟が必要」と注文を付けるほど意気軒高だ。

「規制撤廃」のアジテーションの背景にパソナや、社外取締役を務めるオリックスなどを潤す我田引水の魂胆があるのは明らかだ。だが、もっと厄介なのは、竹中の背後に「モノ作りや半導体関連など日本企業の技術を取り込みたい中国資本の存在も見え隠れする」(霞が関の経済官庁)ことだろう。中国メディアで「日本の王安石(宋代に大胆な改革を断行した官僚)」と持ち上げられている竹中は、岸田政権が対中国を念頭に推し進める「経済安全保障」政策まで蹂躙するつもりなのか。

......続きはZAITEN1月号で。

購読のお申し込みはこちら 情報のご提供はこちら
関連記事

オープンハウス子会社メルディア「止まらぬ訴訟連鎖」

オープンハウス「特殊詐欺汚染」疑惑が裁判で浮上

住友商事「日経出禁」の稚拙すぎる広報対応

五洋建設〝急成長〟の陰でトラブル・不祥事続発の「必然」

SBIグループ「北尾経営迷走」で危うい現在地

【特集】SBI北尾「フジ経営参画大失敗」で〝赤っ恥〟

【特集】フジテレビ「カオス総会」後も続く社内混乱

ワークマン「酷暑対策法規制」で株価上昇の皮算用

「時価総額100億円以上」に厳格化 上場基準見直しのグロース市場改革

沢井製薬「特許侵害裁判敗訴」に業界激震