ZAITEN2026年1月号

会長の悲願「住軽金閥支配」完成の裏で

UACJ〝死亡事故続出〟の製造現場と「違法工事疑惑」

カテゴリ:企業・経済

 アルミ製造最大手のUACJが2025年2月13日、自社株買いにより、 約300万株を古河電工から買い付けた。これにより古河電工の株主比率は約14%に低下、昨24年6月に持ち分法適用会社から外れたのに続き、筆頭株主の座からも降りることとなった。

 結果として、筆頭株主がUACJに敵対的なアクティビストである「エフィッシモ」に入れ替わる事態となったが、UACJ会長の石原美幸にすれば、それと引き換えにしても自ら築き上げた〝カースト体制〟を完成させたかったとも言える。

 UACJは13年に、古河電工の子会社、古河スカイと住友軽金属工業(住軽金)が合併して誕生した。ところが合併後も、古河電工が筆頭株主として君臨し、何かとUACJの経営に口を挟んできた。わけても18年、住軽金出身の石原が社長に就任する直前には、会長、社長人事にまで介入してきた。

住軽金出身閥が頂点

 だが、古河電工が筆頭株主でなくなり、その軛から解き放たれた今、もはや石原が古河電工に気遣う必要はない。石原は社長就任以来、古河電工に忖度しながらもUACJの上層部を住軽金出身者で固めてきた。役員は会長の石原、社長の田中信二を含め、5人中3人が住軽金出身者で、執行役員の14中9人がやはり住軽金出身者で占められた。

......続きはZAITEN1月号で。

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