ZAITEN2023年002月号

2022年を振り返る 安倍射殺、ジャニーズ騒動、マスコミ小話ほか…

特ダネ記者「放言座談会」

カテゴリ:インタビュー

 年内発売の最終号ということで、2022年を振り返って印象に残った出来事ですが......、満場一致で安倍晋三元総理射殺事件でよろしいですか。

 国内なら安倍射殺、世界的に見たらロシアのウクライナ侵攻といったところか。それにしても、参議院選挙の真っ最中で、それも演説中の襲撃というのは、まるで戦前のテロを彷彿させるような歴史的事件だった。

 速報時は、容疑者が自作の銃で襲撃したということもあり、政治的な背景のテロと目された。ところが、蓋を開けてみると、宗教絡みの単なる怨恨の向きが強かった。これを機に一気に統一教会関係の報道が過熱しましたね。

 政治や宗教から距離を置いている人からすると、自民党を中心とした政治家の宗教汚染というのは衝撃的な内容でしたからね。長年、統一教会の取材を続けていたジャーナリストや霊感商法の被害者救済活動をしていた弁護士らが、ワイドショーで辛辣な批判を繰り返すのは爽快でした。

 自民党は、弔い合戦で参院選には着実に勝てたけど、その後の統一教会との関係や国葬をめぐる問題で政権は強い批判に晒された。左派・野党はもとより身内の保守系からもそっぽを向かれ、定番の不祥事も相まって、閣僚のドミノ辞任まで引き起こしたのが記憶に新しいなあ。

 下半期の政治報道は、とにもかくにも安倍射殺、国葬・統一教会問題、岸田政権の支持率急速低下という流れが出来ましたね。

 我われとしては、やはり気になるのは今後の山上容疑者の動向でしょう。

 紆余曲折の末、鑑定留置が23年1月10日まで引き延ばされたけど、まずはこの措置にさまざまな憶測が飛び交っていますね。そもそも、犯行時に山上容疑者が心神喪失状態ではなかったことは誰の目にも明らかで、精神鑑定の必要性はなかった。

 現行犯で逮捕されている以上、刑事事件として捜査は淡々と進むのが筋だろう。わざわざ3カ月も鑑定留置をしたうえ、さらに延長までおこなっているのは、もちろん忖度か圧力を容易に想像できる。

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