ZAITEN2023年03月号

任期を4年に延長した上に、2月の理事長選挙が消滅―

EY新日本監査法人「片倉理事長続投」の異様

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 国内4大監査法人の一角、EY新日本有限責任監査法人(EY新日本)は理事長選挙を2月に予定していたが、選挙が形骸化するどころか、選挙を中止する事態に発展している。  

 東芝の不正会計が発覚した2015年、監査を担ってきたEY新日本は大きな打撃を受けた。金融庁は、東芝から受領した監査報酬2年分に相当する約21億円の課徴金を課し、3カ月間の新規業務停止命令を出した。これにより当時の英公一理事長が辞任したが、それでは済まず、執行部全員が退任に追い込まれたのだ。

 新たに理事長に就任したのは、いわゆる非主流派の辻幸一だった。 「有力候補が軒並み退任して、〝無傷〟の辻が選ばれたのです。そのため辻の就任は緊急避難的と見られました。しかし、辻は幹部を一新し、新日本は大きく変容しました」(EY新日本関係者)
 1つは、東芝事件を教訓に「コンプライアンス」と「品質管理」を厳格化したが、現在の片倉正美理事長体制では、それによりさらに組織が硬直化したという。 「厳格化して監査工程がいたずらに増え、監査報酬が高くなっただけではなく、杓子定規に対応して顧客企業の不満が高まり、大企業では、20年に味の素、21年に日本通運を失いました。また中小企業に対しては、高額化した監査報酬を払えるところしか相手にしないという姿勢です」(同)

......続きはZAITEN3月号で。

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