ZAITEN2023年07月号

【企業倫理を問う!】

ピジョン「自社都合」で身勝手なダブルスタンダード

カテゴリ:クレーム・広報

ベビー用品メーカー大手のピジョンが4月5日、哺乳瓶の乳首の穴の形状の表示について、家庭用品品質表示法違反の不適正表示であることを公表した。  

 不適正表示が行われていたのは、同社の「母乳実感 哺乳びん」シリーズを中心に全36種にのぼるが、品質には問題がないとして、当該商品の回収等を行わず、順次表示を変更すると発表した。  

 家庭用品品質表示法では哺乳瓶の吸い穴の形状について、1997年に「丸穴」「クロスカット」「Y字形」の3つが指定用語に定められた。「丸穴」は円形の穴が開けられた形状で、吸う力の弱い生後間もない赤ちゃん向け、「クロスカット」「Y字形」はそれぞれX、Yの字状に吸い口に切り込みが入ったもので、吸う力が強くなってきた生後3カ月以上向け。吸い穴の形状と吸い口の大きさを選ぶことで、哺乳瓶から出るミルクの分量を吸う力に応じて調節できる。  

 ピジョン以外の他社では、指定用語が定められる以前から「Y字形」表示が一般的だったが、ピジョンはY字の切り込みの形状を76年の発売時から「スリーカット」と表示していた。他社製品との間で形状や機能について差異があるとの誤解を消費者に与えかねないと、97年に家庭用品品質表示法にで「Y字形」が指定用語に定められたにもかかわらず、それ以降もピジョンは25年以上にもわたって「スリーカット」表示を続けてきたのである。

......続きはZAITEN7月号で。

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