ZAITEN2023年09月号

政府広報と堕したマスコミの罪

山崎雅弘「メディアの『機能不全』とこの国の〝同調圧力〟」

カテゴリ:事件・社会

『この国の同調圧力』山崎雅弘
SB新書/990円+税

 7月6日に上梓した新刊『この国の同調圧力』(SB新書)は、日本社会の息苦しさ、生きづらさの大きな原因の一つである「同調圧力」について、さまざまな角度から分析・論考したものである。  一般に、同調圧力という言葉は学校や会社など普段の生活でしばしば直面する、集団内で多数派への同調を強いる心理的圧迫を指して使われることが多い。

 ─みんながこうしているのになぜ君は同じようにしないのか。君のせいで、集団の和が崩れて秩序が乱れる。だから、君もわれわれ多数派と同じように考え、同じように行動せよ。ちゃんと集団内の「空気」を読めよ。でないと集団から排除するよ─。

 本書では、こうした個人レベルで直面する「小さい同調圧力」の事例や背景、構造について詳しく分析しているが、それに加えて、集団全体、つまり国や社会という社会構造に存在する「大きな同調圧力」にも目を向け、構造的な性差別や人を粗末に扱う精神文化がいつまでも日本社会でなくならない原因を考察した。

......続きはZAITEN9月号で。

購読のお申し込みはこちら 情報のご提供はこちら
関連記事

オープンハウス「社員が詐欺事件逮捕」にも沈黙

【特集】山口放送「違法総会運営」を最高裁が断罪

【特集】天下りのために「親子上場」粗製乱造の愚

「〝亡国の制度〟を即刻廃止せよ」 立教大学研究員 平嶋彰英

筑波大学「文系学部統廃合」の動きに教員悲憤

オープンハウス「社員逮捕」隠蔽の異様

【特集】現役・OB匿名記者座談会

【特集】権力一体化と既得権益化で腐る「仲良しクラブ」

【特集】海外ジャーナリストから見た異常性

【特集】「記者クラブ依存」のメディアに未来はない 立教大学教授 砂川浩慶