ZAITEN2023年10月号

【対談】佐高信の賛否両論

佐高信 vs. 鳩山由紀夫「イデオロギーが異なる国とも外交で解決する」

カテゴリ:インタビュー

はとやま・ゆきお―1947年、東京都生まれ。東京大学工学部計数工学科卒業、スタンフォード大学工学部博士課程修了。86年、総選挙で旧北海道4区(現9区)から出馬、初当選。2009年、民主党代表に就任。8月30日に行われた第45回衆議院選挙において、308議席を獲得し、民・社・国民連立が合意され、9月16日、国会において首班指名を受け、第93代内閣総理大臣に就任。12年、総選挙に出馬せず、政界を引退。

佐高
 鳩山さんが新党さきがけの代表幹事の時、私に立候補してくれと電話をしたのを覚えていますか?

鳩山 もちろん覚えています。

佐高 鳩山さんの隣に当時さきがけの衆議院議員だった田中秀征がおり、たぶん秀征が「佐高に電話しろ」と言ったのだろうなと思いました。鳩山さんに対する義理もあるから、100%は失礼かなと思って「99%意思はありません」と言ったんです。そうしたら、鳩山さんは「1%はあるんですね」って返して(笑)。

鳩山 その1%をもっと追求すればよかったですね。ずっと「この世の中、おかしいじゃないか」というお気持ちは強かったですよね。政治家になるおつもりは最初から一切なかったのですか?

佐高 土井たか子さんからも何回か言われたことがありましたが、その時は「私が立候補してしまうと社民党とか社会党を応援する人いなくなるでしょう」と言ったら、土井さんが「それもそうね」と言って(笑)。  中心勢力であるさきがけにも、自民党から出てきた人がたくさんいたわけですよね。

鳩山 さきがけは1期生と2期生で当選2回までです。1期生が岩屋毅さんと簗瀬進君で、あとは全部2期生でした。2期生以上を誘わなかったんですよ。そういう意味では、活躍した人はせいぜい政務次官。だから、それだけにある意味で中に染まらない真面目さのようなものがありました。

佐高 あの時に武村正義さんとか、秀征は横に置かれたんでしたっけ?

鳩山 村山富市政権から橋本政権になり、さきがけが自民党の補完勢力に成り下がってしまった。それをどう修正していくかという時に、私としては「この指止まれ方式」じゃないといけないと思いました。当時、武村さんや田中さんが考えておられたのは「社さ」まるごと合体論だったのですが、社さまるごと合体だと国民は支持はしないだろうと私は確信していました。一人ひとりが党を飛び出して行動を見せようじゃないかということで、政策本位で旗を立てて、その旗に集まる人を一人ひとり、党を超えた意思をもって旗を支えようじゃないかという動きだったのです。

......続きはZAITEN10月号で。

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