ZAITEN2024年05月号

【クレーマーズレポート】第77回 

JR東日本「発車メロディの〝改悪〟」で企業広告の違和感

カテゴリ:クレーム・広報

発車メロディの〝改悪〟乗客無視の交通広告の欺瞞

 一部の駅では、その土地に縁のある発車メロディを流している。JR山手線「高田馬場駅」では、漫画家・手塚治虫原作の「鉄腕アトム」の主人公アトムが、作中で高田馬場にある科学省で誕生した設定になっていることと、手塚プロダクションの所在地も高田馬場であることから、「鉄腕アトム」の主題歌を発車メロディとしている。そんな発車メロディについて、読者からメールが届いた。

発車メロディの〝改悪〟

〈池袋駅で山手線に乗った時、どこかで聞き覚えのある〝騒がしい〟メロディが流れ、混乱しました。しばらくして家電量販店の「ビックカメラのテーマソング」だということに気付いたのですが、私以外にも明らかに困惑している人がいました。  

 発車メロディはドアが閉まり、電車が発車することを知らせる大切なアナウンスです。それを一企業が広告宣伝に使ってもよいのでしょうか。また、「ビックカメラのテーマソング」に関しては、なんだかせかされているようで、非常に不快です。  

 電車という公共交通機関の発車メロディに企業の宣伝音楽が採用されるのは、あまり気持ちの良いものではありません。中吊り広告などであれば、見なければ済みますが、注意喚起の発車メロディとなると、聞かないわけにはいきません。  

 また、「発車メロディを取り替えるのは視覚障がい者の方に良くない」と聞いたことがあります。面白半分のように発車メロディを変えてしまうことで、危ない思いをする視覚障がい者の方もいるのではないでしょうか。  

 池袋駅の発車メロディの〝改悪〟を他の乗客たちはどのように思っているのでしょうか。私はやりすぎではないかと思います〉(読者からのメール)

今年3月1日からJR山手線「池袋駅」の発車メロディに「ビックカメラのテーマソング」が採用された。発車メロディを企業広告として採用するケースは他にもJR山手線「神田駅」のアース製薬がある。こちらは、同社製品のCMソングが発車メロディになり、5年契約で駅名標も「JR神田駅(アース製薬本社前)」とされ、4つの出口名にはそれぞれに商品名が追加された。

......続きはZAITEN5月号で。

購読のお申し込みはこちら 情報のご提供はこちら
関連記事

サンドラッグ「取材を勝手に断ろうとする代表電話」

警察庁「回答期日無視などの呆れた広報対応」

ワークマン「〝監修〟を〝コラボ〟と宣伝する図々しさ」

JR東日本「発車メロディの〝改悪〟」で企業広告の違和感

TOHOシネマズ「対応部署がはっきりしないグダグダ広報体制」

TOHOシネマズ「無料鑑賞特典制限」が不親切でセコい

東武鉄道「定期券を継続購入出来ない券売機」

LIXIL「迷惑なトイレの点滅機能」消費者軽視の半強制点検

丸ノ内ホテル「お釣り渡し忘れ事件」に学ぶ危機管理

JR東日本「震災事故対応する駅員への〝不信感〟」