ZAITEN2024年06月号

言論の自由を〝封殺〟することは許されない

三宅芳夫「民主主義は『スラップ訴訟』に屈してはならない」

カテゴリ:インタビュー

みやけ・よしお―1969年兵庫県神戸市生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。学術博士(Ph.D.)。 千葉大学大学院法経学部助教授、パリ第10大学客員研究員を経て、現在千葉大学社会科学研究院教授。著書に『知識人と社会―J=P.サルトルにおける政治と実存』(岩波書店)『ファシズムと冷戦のはざまで 戦後思想の胎動と形成 1930-1960』(東京大学出版会)。2024年4月に『世界史の中の戦後思想―自由主義・民主主義・社会主義』(地平社)を刊行。

 昨今、「SLAPP(スラップ)訴訟」と呼ばれる「名誉棄損」民事訴訟のかたちをとった「言論封殺」の試みが頻繁に行われています。代表的なものとしては、かつての消費者金融最大手の武富士や世界平和統一家庭連合(旧統一教会)によるものが挙げられるでしょう。  

 私個人の場合は、一般社団法人日本財団ドワンゴ学園準備会による、2025年4月開学予定の新大学ZENの設立動画説明会で不審に思った点をマストドンというSNSに投稿したことをもって、二度日本財団ドワンゴ学園準備会の担当弁護士事務所から「削除・謝罪がなければ法的措置をとる」という一種の法的恫喝が来ました。私としては、「大学とは相互に激しく批判し合うことが前提の学問の真理探究の場であり」、自分から公開した動画に少し批判的な論評が出たからといって「法的恫喝」で黙らせよう、とする団体が学問の府である大学を創設しようとするなど「言語道断」であると考えて、その警告を無視しました。すると、企画の中心にいると思われるドワンゴ創業者の川上量生氏から、名誉棄損として「550万支払え」という裁判を起こされたわけです。

巨大な権力と富の同盟

 さて、スラップ訴訟をより一般的に定義すれば、政治行政権力ないし大企業・大富豪が自分達に「不都合な」批判をする人ないし言論機関に、法外な額の「名誉棄損」訴訟を起こすことによって、実質的に「言論封殺」を行うもの、と言えるでしょう。

......続きはZAITEN6月号で。

 

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