ZAITEN2024年08月号

ダイキン「井上会長に43億功績金」でも社員は薄給

カテゴリ:企業・経済

 空調世界大手のダイキン工業(大阪市)が、6月末に取締役会長を退任する井上礼之(89)に対し、実に43億円に上る「特別功績金」の支払いを決め、6月末の株主総会で議案提出された。  

 株主総会招集通知に記された提案理由では、井上氏は1994年の社長就任以降、改革の実行とM&A等の駆使により、海外事業比率84%、グループ従業員約10万人を擁する空調事業のグローバルナンバーワン企業へ発展させたと、賛辞に溢れた文章が連なる。  

 確かに、この10年だけでもダイキンの成長は著しく、2014年度の売り上げ1兆9100億円が、23年度に4兆3900億円まで増えた。しかし、ダイキンは取締役に対して業績連動型報酬を導入して、井上には毎年、巨額の報酬が支払われてきた。直近だけでも、20年度=4億1200万円、21年度=4億3200万円、22年度=4億5600万円と、高額な上に年々増え、井上に支払われた役員報酬は過去10年間だけで約38億円に上る。  

 この報酬額は他の企業と比べても高く、『東洋経済』が国内上場企業を対象とした「5年合計役員報酬ランキング」で、井上は堂々の27位に入った(23年11月配信)。

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