ZAITEN2024年11月号

〝技術オンチ〟のCFO社長

ニコン「技術音痴」德成社長就任で〝止まらぬ迷走〟

カテゴリ:企業・経済

「ニコンの1人負けだな」。8月半ば、カメラ・光学機器メーカーの今年4〜6月期決算が出揃ったのを見た大手証券のアナリストはこう指摘した。  主要4社のうち、3社の売上高が前年同期比2桁増収(キヤノン=14・4%、富士フイルムホールディングス=13・4%、HOYA=17・3%)だったのに対し、ニコンは3・6%増。利益も振るわず、同社のセグメント(部門)別営業損益(▲は赤字)を見ると、5部門のうち、黒字だったのは映像事業(カメラなど、179億円)だけ。精機事業(半導体露光装置など、▲21億円)、ヘルスケア事業(細胞受託生産など、▲6億円)、コンポーネント事業(光学部品など、▲1億円)、デジタルマニュファクチャリング事業(金属3Dプリンターなど、▲36億円)の残り4部門は全てが赤字だった。

遅れをとる技術開発力

「各事業部が安定的な収益を上げられるようになってきた」  今年2月の社長交代発表の記者会見。前任者(現会長)の馬立稔和(68)と並んで壇上に座った新社長の德成旨亮(63)は淀みなくニコンの近況を説明していたが、就任後最初の四半期決算はこの惨状。現実は「会社の内情は真っ赤っか」と前出の有力OBは明かす。

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