ZAITEN2024年12月号

「稼げる大学」で国滅ぶ

【特集】東京科学大「提灯記事執筆記者」が理事に栄達

カテゴリ:事件・社会

「稼げる大学」で国滅ぶ
政財界主導の「大学改革」の正体

 大学関係者の間で話題になっているのが東京福祉大学の第三者委員会による調査報告書。9月30日に大学のホームページに公開された「公表版」には、創設者で前理事長の中島恒雄による様々な問題が記されている。  

 東京福祉大は2000年4月に開学し、群馬県伊勢崎市と東京都内、名古屋市内にキャンパスがある。学生数は約3700人で、うち1600人以上を留学生が占める。メディアに大きく報じられたのは、16年~18年にかけて留学生約1600人が所在不明となった問題だ。約7割が研究生で、不法残留などにつながる所在不明を大学が管理できていなかった。  

 東京福祉大は19年から5年連続で私学助成金が不交付になっている。留学生の所在不明以上に不交付の要因とされているのが、創設者の中島が強制わいせつ罪で08年に東京地裁で実刑判決を受けたにもかかわらず、理事長兼学長に復帰するなど、大学運営に影響力を持ち続けたことだ。実刑判決が出た際、大学法人は「罪状が確定し罪を償った後においても、本学校法人の理事長・理事及び大学の学長・教授として復帰することを認めない」との方針を公表した。しかし、公表文は一定期間が経過した後にホームページから削除され、この方針は守られなかった。  

 調査報告書によると、10年7月に中島が仮釈放されると、大学法人は仮釈放翌日に事務総長職の辞令を中島に出す。給与は月額500万円だった。文科省は08年の方針を反故にしていると指摘したが、文科省が納得する説明がないまま中島は20年11月に理事長と学長に復帰した。

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