ZAITEN2025年08月号

〝知財巧者〟にも巨額の損害賠償

沢井製薬「特許侵害裁判敗訴」に業界激震

カテゴリ:企業・経済

 今年5月27日、東京都目黒区にある知的財産高等裁判所(知財高裁)が下した1つの判決が国内ジェネリック医薬品(後発薬)業界を震撼させた。経口掻痒症改善薬「レミッチOD錠」の特許を侵害したとして、東レが沢井製薬と扶桑薬品工業の2社を訴えていた訴訟で、知財高裁が東レの言い分を認め、2社に対して損害賠償を命じたのだ。  

 ここまでならばよくある話だが、関係者を驚愕させたのがその金額。沢井製薬は約142億9000万円を、扶桑薬品は約74億7300万円を東レに支払えという内容だったからだ。「見たことのない額で腰を抜かした」と競合後発薬メーカー幹部は語るが、これが業界内での一致した感想だろう。2021年の一審判決では東レの訴えを退けていただけに、沢井製薬、扶桑薬品ともに受けた衝撃はより大きかったに違いない。

〝知財巧者〟敗訴の衝撃

 レミッチとは東レが開発し、鳥居薬品が国内で販売している医薬品だ。平たく言えばかゆみ止めの飲み薬で、特に透析や慢性肝疾患で生じるかゆみに苦しむ患者を対象に処方される。  

 そんなレミッチを巡り、東レが後発薬を製造・販売していた沢井製薬などを18年に提訴した。経緯を振り返る前に、改めて医薬品の特許の仕組みを見てみよう。

......続きはZAITEN8月号で。

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