ZAITEN2025年10月号
新聞各社の隠された収益源
朝日新聞「選挙公報」折込で〝水増し発覚〟
カテゴリ:事件・社会
今年7月20日に行われた参議院選挙で、有権者に政党や候補者の政策を伝えるための選挙公報が、一部地域で実際の配布数以上に印刷され、配布されないまま廃棄されていたことが分かった。
問題が発覚したのは千葉県流山市。ASA(朝日新聞販売店)の店舗前に、ビニールが解かれないまま積み上げられた「選挙公報」の梱包を、同市の元市議・大野富生氏(NHK党)が発見した。選挙公報の新聞折込日に指定された7月12日の翌日、13日の夜のことである。
現場には選挙公報だけでなく、配達されずに余った新聞、いわゆる広義の「押し紙」(残紙)も大量に積み上げられていた。大野氏はその様子をビデオ撮影し、インターネット上で公開した。
税金で制作された折込媒体である選挙公報は、原則として新聞社が販売店に搬入する新聞の部数(搬入部数)に合わせて割り当て部数が決められる。そのため新聞の「押し紙」が多い販売店では、選挙公報の部数も同じように水増し状態になる。その結果、過剰になった選挙公報は、「押し紙」と一緒に廃棄される。実際、大野氏が撮影した映像には、選挙公報に加え、大量の「押し紙」が積み上げられている様子がはっきりと映っていた。大野元市議が語る。
「今回の参院選の選挙公報に限らず、流山市では、新聞の配達部数を大幅に上回る折込媒体が新聞販売店に搬入されてきました。『広報ながれやま』もその一例です」 『広報ながれやま』は流山市の広報紙であり、主に新聞折込で配布されてきた。たとえば2020年4月時点で、市が販売店向けに割り当てた部数は5万5238部だったが、新聞の公称部数(ABC部数)は3万6836部に過ぎなかった。約1万8400部が余剰、つまり水増し状態だったと推計される。
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