ZAITEN2025年12月号

積極財政の「サナエノミクス」始動

【特集】財務省「まさかの高市首相」で〝青天の霹靂〟

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小泉進次郎総理誕生を疑わず、与野党で燻る消費税減税論を葬り去ろうと政治工作を進めてきた財務省。 「アンチ財務省」の高市早苗総理の誕生で、省内では「史上最大級の危機」との声も漏れる。

「高市早苗君185票、小泉進次郎君156票。よって高市君が第29代自民党総裁に選ばれました」。10月4日、NHKテレビで自民党総裁選の決選投票の結果を追う財務省の官僚の目は一様に虚ろだった。財務省は世論調査の支持率が高い小泉が総裁選で勝利するのは間違いないと信じ込み、省を挙げて大々的に「推し活」していたからだ。にもかかわらず、蓋を開けてみれば、こともあろうか財政拡張を掲げ、アンチ財務省の象徴的政治家である高市が勝ち、自分たちが住む世界とは別次元のパラレルワールドを見せつけられたような思いだったのだろう。 「青天の霹靂だ」。財務省内ではこんな呻き声さえ漏れた。政治信念も政策ビジョンも乏しい小泉を首相に担いで政権を自由自在に操り、与野党で燻る消費税減税論をきっぱり葬り去る。そんな目論見は一気に潰え去った。自らに反旗を翻した財務省への復讐心に燃える高市は、財政健全化目標を骨抜きにし、自民党税制調査会を「減税検討機関」に変容させることまで画策している。

政治工作もむなしく

「将来にツケを残さないという考え方は借金を残さないということではない。一番最悪なのは、経済成長しない世の中を将来に残してしまうことだ」。安倍晋三直系を自任する高市は総裁選でアベノミクス2・0ともいえる積極財政のサナエノミクスを掲げ、財政健全化にこだわる財務省と対立する立場を鮮明にしていた。ガソリン・軽油の暫定税率廃止などの減税政策や、持論の防衛費増額の財源を巡っては「赤字国債の発行もやむを得ない」とも言い放っていた。

......続きはZAITEN12月号で。

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