ZAITEN2025年12月号

世襲経営に終止符

脱・創業家「ファナック」〝軽量経営陣〟への不安

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 世襲経営に終止符を打ったファナックが苦境に直面している。産業用ロボットの需要を牽引してきたスマートフォンやEV(電気自動車)の成長に陰りが見え、米中の主要市場はトランプ関税など波乱要因の連続で視界不良。そこへソフトバンクグループが産業用ロボット4大メーカーの一角を買収し、殴り込んできた。昨年来、社内で組織的な品質不正が発覚したほか、米テスラの工場で起きたファナック製ロボットの事故を巡る巨額賠償訴訟も勃発。脱・創業家を果たした〝軽量経営陣〟を不安視する声が急速に高まっている。

〝カルト経営〟に相次ぐ不祥事

「総合的に現地生産を検討しなければならない」
 7月25日にファナックが開いた2025年第1四半期(4〜6月期)決算発表時の質疑応答で、社長の山口賢治(57)は「アメリカでの現地生産」の可能性について言及した。  

 米大統領ドナルド・トランプが貿易相手国に相互関税を課すと発表したのは4月2日。当初、日本に対する関税率は「24%」としていたが、トランプは7月になると「8月1日から25%を課す」と脅しをかけてきた。  

 対米輸出の依存度が高い大手製造業を中心に、産業界はパニック状態となったのは周知の通り。ファナックもその1社で、4月23日の25年3月期決算発表時には「関税の影響が見通せない」として26年3月期の業績予想を見送った。

 7月25日の第1四半期決算発表では売上高8070億円(前期比1・2%増)、営業利益1595億円(同0・4%増)、純利益1430億円(同3・1%減)という通期(26年3月期)業績予想を開示した。売上高と営業利益が微増にとどまり、純利益ベースでは減益というお寒い内容だが、山口は「1Q(第1四半期)の関税の影響は限定的だった」「米国では労働力不足が続いていることからロボット需要は底堅く推移している」などと「アメリカ市場重視」を強調。その流れで飛び出したのが前述の「現地生産」発言だった。

......続きはZAITEN12月号で。

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