ZAITEN2026年5月号

株価はストップ安で時価総額2500億円超が吹き飛ぶ

協和キリン「新薬開発中止」で〝剣が峰〟

カテゴリ:企業・経済

 キリンホールディングス(HD)傘下で医薬品事業を営む上場子会社、協和キリンが窮地に陥っている。次世代の屋台骨を支える新薬として開発を進めてきた「ロカチンリマブ」の製品化断念を余儀なくされたからだ。発表後に市場はすぐさま反応し、2500億円を超す時価総額が吹き飛ぶなどインパクトは大きい。株主の一部からは2018年の社長就任以降、トップに立ち続け、ロカチンリマブに賭けてきた会長の宮本昌志の経営責任を問う声も上がる。

 3月3日に「ロカチンリマブの臨床試験プログラム中止について」と題されたプレスリリースが公表された。 「欧米企業との提携やM&A(合併・買収)などの案件でもない限り、通常ではあり得ない時間帯に出た」(経済誌記者)  その発表は、ロカチンリマブで行っている臨床試験をすべてストップすることを告げた。共同開発を行っていた米国製薬会社アムジェンとデータを再検討した結果、安全性の問題が判明したと記す。

 ロカチンリマブは、協和キリンが開発中だった重度のアトピー性皮膚炎や喘息などの治療薬候補だ。医療現場で使うために必要な製造販売承認を得るための臨床試験はすべて完了。一大市場である米国でその承認に向けた申請を近く控えていた。

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