ZAITEN2026年5月号

通称「アニータ事件」から25年〝究極の反面教師〟の現在地

【インタビュー】『アニータの夫』 朝日新聞ネットワーク報道本部 坂本泰紀

カテゴリ:インタビュー

『アニータの夫』
柏書房/¥1,700+税

さかもと・やすのり―1999年に朝日新聞社に入社。水戸、青森総局などを経て、大阪本社の社会部へ異動し、 遊軍や大阪府市の政治行政などを担当。岡山総局デスク、大阪社会部デスクを経て現職。青森総局時代の共著に『核燃マネー 青森からの報告』(岩波書店)。大阪市役所担当時代の共著に『ルポ 橋下徹』(朝日新聞出版)。

通称「アニータ事件」から25年〝究極の反面教師〟の現在地

―本書の元となる朝日新聞デジタル版の連載「アニータの夫」は、約8年もの対面取材を経て発表されました。記事になるまで、「アニータの夫」こと千田郁司への長い取材となりましたね。
 振り返れば発表までに時間がかかっていますね。執筆するきっかけとなったのは、2017年の11月に、朝日新聞岡山総局に「真実を話す」と記した手紙を服役直後の千田が送ってきたことでした。

 私はその頃、岡山総局のデスクで、たまたまその手紙を目にして「これは、独自取材になるかも」とはやる気持ちで、記者とふたりで岡山市内にある千田の自宅を訪れました。「アニータとはどうやって知り合ったのか?」「結婚の経緯は?」「なぜそれほど巨額の横領ができて、なぜチリに送金していたのか?」と、記事になるかを見極めるため、質問を投げかけました。

それに対して千田は、詳細は本書に譲りますが、アニータとの出会い、横領を可能にした「錬金術」、チリに巨額送金していた理由といった、まさしく「小説より奇なり」といった内容を話し出しました。奇想天外でおもしろいのだけど彼の話だけでは、すぐには書けない。ほかにも裏取りしなければいけないし、アニータにもカウンターコメントを取らなければならないと察しました。

......続きはZAITEN5月号で。

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