ZAITEN2026年7月号
金融ジャーナリスト
【インタビュー】『銀行の本店はなぜ仰々しいのか?』 金融ジャーナリスト 鈴木雅光
カテゴリ:インタビュー
『銀行の本店はなぜ仰々しいのか?』
(幻冬舎新書)/¥1,000+税
すずき・まさみつ―金融ジャーナリスト。JOYnt代表。1976年生まれ。89年岡三証券入社。その後、金融専門紙記者を経て、投資信託データベースを扱う会社にて投資信託業界を中心に取材。2004年独立。現在は出版プロデュースやコンテンツ制作に携わる。
情報公開と密室化二極化する〝金融業界の裏〟
―生活に身近で、ビジネスの上でもやり取りが多い一方で、さまざまな事情や情報がブラックボックス化されている印象が強いのが金融業界の実態と言えます。
『銀行の本店はなぜ仰々しいのか? 金融業界の謎』(幻冬舎新書)の「はじめに」の冒頭でも、銀行や証券会社の本社が入ったことがありますかと読者に質しているように、口座がある顧客であっても、融資などの取引がある企業の担当者であっても、おそらく個人として、多くの方が〝本社〟には馴染みがないのではないでしょうか。とりわけ、東京・丸の内、大手町に本店を構えるメガバンクは、見上げるほどのビルの外観はもちろん、役員が使うような応接室の特別な設えは、まさに〝仰々しい〟という言葉に尽きます。
いきなりタイトルの答え合わせになってしまいますので、メガバンク本店に贅を尽くした設備が必要な理由は、ぜひ本書を読んで確認していただきたいのですが、本書では、こうした金融業界に対する素朴な疑問から、新聞記者や経済誌記者も気になるような業界の裏話を紹介しています。
金融業界やマスコミ業界がまさにそうですが、「業界の常識、世間の非常識」といった社会との認識のギャップは、業界の実態を見えにくくする構造の1つです。
たとえば、私はかつて証券会社に勤務していましたが、特に現場の営業について言えば、日々の販売目標に追われるあまり、自分たちの本分を理解できないまま、単なる株式や投資信託の売り子になっているケースがあります。私が証券会社にいたのはバブルピークの時であり、今は多少、見直されているところはあると思いますが、特に対面営業の証券会社に販売目標はつきものですから、どうしても数字の消化が目的化してしまいがちです。
......続きはZAITEN7月号で。







