2021/03/01

ほくそ笑むのは筆頭株主のシンガポール「ウットラム」

日本ペイント田中正明社長「恩返し」の情実

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「金融界きっての国際派」と持て囃される一方、「喧嘩マサ」などと強面バンカーとしても知られてきた三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)元副社長、田中正明。流転の末に現在は畑違いの塗料大手、日本ペイントホールディングス(HD)会長兼社長CEO(最高経営責任者)に収まっているが、当の日ペHDは、田中の〝情実〟とも見える経営に翻弄されているのではないか。

「海外M&A」の内実

 田中は2019年3月、日ペHDの筆頭株主のシンガポール塗料大手、ウットラムグループの総帥ゴー・ハップジンからの招聘を受ける形で会長に就任した。日ペHDとウットラムの関係を巡っては「庇を貸して母屋を取られた」「名門企業が華僑の傘下に入った」との批判が根強かった。国際派の田中が入ることで、ウットラムからの脱却を目指すと、当初はそう報じられていた。それから2年。特に昨年1月から社長CEOを兼務するようになった20年12月期の1年間は、田中の力量を推し量る初の決算期となった。

 一見すると、業績は良好だ。売上高は7811億円(前期比12・9%増)、営業利益869億円(11・4%増)と増収増益。株価は就任前の4000円台から上昇し、昨年11月には1万3000円にまで上がった(2月16日終値は8710円)。

 だが、田中体制となって以降の日ペHDの財務状況はお世辞にも良いとは言えない。連結の営業利益率は10%弱を維持しているものの、資産効率は悪化している。総資産回転率は18年が120%だったが、19年以降は70~80%と低下している。

 資産効率が悪化した原因は相次ぐ海外企業の買収である。

 田中の会長就任直後の19年4月、日ペHDは豪州の塗料メーカー、デュラックスグループとトルコの同業、ベテックボイヤの2社の買収を矢継ぎ早に決議した。

......続きは「ZAITEN」2021年4月号で。

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