ZAITEN2021年10月号

完全復活の「全特」が画策

日本郵政「増田追放・横山復活」社長挿げ替えの策謀

カテゴリ:企業・経済

 2110_増田寛也Official Site.jpg日本郵政 増田寛也社長(写真は公式サイトから)

 創業150年を迎えた日本郵政グループが、業績のジリ貧と無能経営による組織崩壊でメルトダウンの危機に直面している。かんぽ生命保険の不正販売問題に伴う経営刷新で昨年1月から社長を務める増田寛也(1977年旧建設省、元岩手県知事、元総務相)はまともな再建策を一向に打ち出せず、社員から「地方創生など儲けにならないことばかり言い立てる評論家」(関東地方の郵便局員)など嘲笑の的にされる始末。

 求心力の欠片もないトップの下、社内ではこの「権力の空白」を突くように、地方の名士が多く在籍し「民営化反対」が本音の全国郵便局長会(全特=旧全国特定郵便局長会)が完全復権。全特に対抗してきた旧郵政キャリア出身の天下り幹部も「業績不振で沈む泥船で保身に汲々としている」といい、かんぽ生命の不正契約問題の後遺症が癒えない現場は郵便局員による横領といった不祥事が多発するなど、荒廃を極めている。

 日本郵政の株価は2015年の株式上場時から半値水準に暴落している。市場から収益向上策を迫られて血迷った増田が郵便局改革を安易に口走ったところ、絶大な政治的影響力を持つ全特の虎の尾を踏み、社長交代論まで噴き出している。日本郵政幹部も「もはや企業の体をなしていない」と認める混沌状況に陥っている。


「S級戦犯」の呼び戻し


「流氷きしむ さい果てに 炎熱もえる 南国に 文化を拓く 魁けと 空にはためく 郵政旗 ああ全特に 使命あり 使命あり」――。東京・港区にある全特六本木ビルの敷地内には軍歌と見紛うほど勇壮な「全特会歌」を刻んだ石碑が鎮座する。全国約1万9000カ所の旧特定郵便局を牛耳る全特の総本山と言えるこのビルで今春、日本郵政社長のクビを挿げ替える謀議がなされたことがグループ内に波紋を広げた。

 関係筋によると、謀議の中心人物は、全特会長の末武晃(山口県荻越ケ浜郵便局長)や、元全特会長で参議院議員の柘植芳文の側近ら。「所詮、官僚上がりの増田では日本郵政の経営は立て直せない。郵便局の現場を熟知し、首相の菅義偉からの信頼も厚い〝あの男〟を日本郵政トップとして呼び戻せないか」などと、熱い議論が繰り広げられたという。

「あの男」とは、三井住友銀行出身で日本郵便前社長の横山邦男(81年旧住友銀行入行)のことだ。

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