ZAITEN2021年11月号

社会的インフラの使命を“放棄”するメガバンク

【みずほ特集】ムスリム礼拝所に「みずほATM」で大顰蹙

カテゴリ:企業・経済

 9月5日に閉幕した東京五輪・パラリンピック。フリーアナウンサーの滝川クリステル(現・小泉進次郎環境大臣夫人)が8年前のIOC総会でアピールした、日本の「おもてなし」についても、ついに〝採点〟の時が来た。

 両大会の開催期間中、東京オリパラ組織委員会は海外プレスのための取材拠点として江東区有明の東京ビッグサイトに「メインプレスセンター(MPC)」を開設した。ところが、共同通信が7月25日付の配信記事で、このMPCにイスラム教徒を対象とした礼拝室が設置されておらず、イスラムの戒律に従ったハラル料理を提供できる環境が準備されていないことなどから、イスラム圏からやってきたジャーナリストたちから不評を買っていると報じた。 「イスラム教徒は歓迎されていないと感じた。日本政府に文句を言いたい」「食堂に行ってもハラル料理は見当たらないので、MPCでは何も食べずにコーヒーばかり飲んでいる。案内板の言葉は日本語や英語ばかりで(国連の公用語でもある)アラビア語は全く目にしない」というレバノンの写真家の声も、記事は伝えている。

 だが、東京ビッグサイトのホームページには施設内にイスラム教徒も対象とした「祈祷室」があると明記されている。ではなぜ、MPCに礼拝室がないと共同は報じたのか。調べたところ意外なことが判明した。組織委ではMPC開設にあたり祈祷室を閉鎖し、代わりに大会「ゴールドパートナー」(スポンサー)であるみずほ銀行の出張所を設置していたのだ。

......「ZAITEN」2021年11月号で。

購読のお申し込みはこちら 情報のご提供はこちら
関連記事

メディパルHD「共和薬品買収」で業界再編加速

ゆうちょ銀行「老害・池田退任」でも前途多難

LINEヤフー「総務省カンカン」で解体危機

三菱重工「MSJさえ造れない」「H3」成功もロケット市場で惨敗必至

エネオス「脱・日石支配」偽装の新経営体制

【特集】JR東日本を蝕む「喜勢リスク」と〝2人の老害〟

【特集】JR東日本を蝕む「喜勢リスク」と〝2人の老害〟

【特集】大林組「大林剛郎会長」と〝2人の女性〟

三井住友信託「CBJ問題」で旧住信支配の終焉

レゾナックHD髙橋秀仁社長の横暴に人心乖離