2021年03月号

マナー啓発CMのはずが……

JT「海岸でタバコ」の マナー違反CM

カテゴリ:クレーム・広報

 現在、日本では受動喫煙の防止を図るため健康増進法が改正され、禁煙分煙が当たり前になり、路上喫煙も条例で厳しく禁止されている場合も多い。そんな中、JTのCMに疑問の声が届いた。

今、流れているJTのCMには、山や海岸でタバコを吸うシーンが出てきます。このような場所での喫煙は、条例が禁止している自治体も増えているようですし、JTは何を考えてCMを流しているのでしょう〉(読者のメールより)

 これは、吸う人と吸わない人の共存に向けJTの理念を伝える広告活動「ひとつずつですが、未来へ。」のCM「大人のたしなみ方篇」で、2016年から現在まで放送され続けている。タバコのマナー啓発のためのもので、キャンプやサーフィンなどを楽しんでいる人物が、タバコを吸わない仲間に配慮して離れた場所に吸いに行くという内容だ。

「あなたの好きは誰かの嫌いかもしれない―。」という抒情的なメッセージから始まり、淡々と映像が流れ、パッと見、何の広告かわからない。

 問題は、喫煙シーンの場所である。いずれも喫煙所が設置されていない自然の中なのだ。読者が指摘するように、山や海岸などでは近年、喫煙が禁止されている場所が増えている。

 サーファーの聖地・湘南を抱える神奈川県生活衛生課の話では「海での喫煙については、海水浴場のある海岸では海水浴シーズン中の喫煙を条例で禁止している」という。一方、山での喫煙に関しては条例はないが、地主や施設の持ち主が禁煙にしているケースが多く、CMのように大自然の中で堂々とタバコを吸うなど、もはやほとんどできないのが現状だ。

......続きは「ZAITEN」2021年3月号で。

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