2021年04月号

姉妹ホテル「グランドパレス」は営業終了

パレスホテル「4代目若社長」を襲うコロナ禍

カテゴリ:企業・経済

 新型コロナウイルスがホテルの経営を蝕んでいる。足元の客室稼働率が1割前後に落ち込んだ帝国ホテルは99の客室をサービス付きアパートメントに転換すると表明。傘下の都市ホテルの1室当たりの収益(RevPAR、2020年4〜12月期)が2690円(前年同期比81%減)に激減した西武ホールディングス(HD)は低価格ホテル事業に活路を求める。インバウンド(訪日外国人客)拡大で高収益を謳歌したホテルほどコロナ禍の穴は深い。パレスホテルの苦境もその典型だ。

「吉原家」の同族支配

 東京・九段にあるホテルグランドパレスは昨年末、今年6月末で営業を終了すると公表。1973年の金大中事件やプロ野球ドラフト会議の舞台となるなど知名度は高かったが、建物の老朽化でかねて営業不振が噂されていた。コロナ禍でトドメを刺された格好だ。

 グランドパレスはパレスホテルの姉妹ホテルとして72年開業。458の客室があり、従業員は192人。19年12月期の業績は売上高が48億4700万円(前期比0・5%減)、最終損益は1億4700万円の赤字(前期は1億3千万円の黒字)だった。営業休止が決まる20年末時点では「利用客が例年の3割程度に落ち込んでいた」(関係者)という。築50年になるグランドパレスの建て替えは時間の問題とはいえ、いきなりの休業宣言は従業員にも寝耳に水。親会社のパレスホテルの経営がそれほど追い込まれていたのか。

......続きは「ZAITEN」2021年4月号で。

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