2021年06月号

大阪・太閤園は創価学会に―

藤田観光に迫る「椿山荘も売却」の窮状

カテゴリ:企業・経済

 新型コロナウイルスの「第4波」は今年のゴールデン・ウィークの旅行需要も吹き飛ばす勢いだ。季節は春爛漫だが、ホテル業界は〝厳冬期〟に深く突入。全国でビジネスホテルを展開するビスタホテルマネジメント(東京・千代田)が3月11日に東京地裁に民事再生法の適用申請をするなど、4月中旬時点でホテル・旅館のコロナ関連倒産は87件(帝国データバンク調べ)。株式市場で「次は上場企業か」との観測が飛び交う中、注目を集めるのが藤田観光である。


「3月末まで...」の台所事情


「取引先など30社ほどに増資をお願いしたが、目標金額には届かなかった。......そんな中、3月末までにお金が入るという条件で話がついたのが『太閤園』だった」

 藤田観光社長の伊勢宜弘は大阪城北側の婚礼・宴会施設「太閤園」を売却した経緯についてこう説明した(3月22日付『日経MJ』)。

 太閤園は旧藤田財閥の創始者、藤田伝三郎(1841〜1912年)の邸宅跡地に建つ。戦時中の空襲で邸宅は大半が消失。そのうち一部は54年に開館した「藤田美術館」(現在改修中)となり、さらに59年に太閤園が開業した。2万平方㍍を超える日本庭園をはじめ、築100年を超える建物の料亭など格式の高い婚礼・宴会施設として人気を集め、08年には主要8カ国(G8)財務相会議の晩餐会場にもなった。

 ただ、婚礼市場は挙式の多様化や結婚式そのものを省略する「ナシ婚」の増加で縮小の一途。そこへコロナ禍が襲い、藤田観光の収益源だった「ワシントンホテル」や「ホテルグレイスリー」などのビジネスホテル部門が大打撃を受けた。藤田観光が太閤園の売却を明らかにしたのは2月12日。この日は同社の2020年12月期連結決算の発表日でもあった。

 売上高は前の期に比べ61%減の266億円、最終損益は224億円の赤字(前の期は2億8500万円の赤字)。期末の純資産は13億円で自己資本比率は1・2%にまで落ち込んでおり、約329億円の特別利益を生み出す太閤園の売却がなければ、今期中の債務超過転落は不可避だった。

......続きは「ZAITEN」2021年6月号で。

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