ZAITEN2022年08月号

延々とクレームを処理する「コールセンター」の内情とは―

大手企業「業者に顧客丸投げ」の大罪

カテゴリ:クレーム・広報

「とにかく(電話が)つながらない。何度かけ直しても、『混み合っています。このままお待ちください』。つながっても、自動音声を長々と聞かされ、用件を選ばないと先に進めない。長時間待たされた挙げ句、やっとオペレーターと話せたと思ったら、『ここでは対処できません』と。一体、顧客を何だと思っているのか」

 こう怒りを露わにするのは、都内在住の60代の会社員A氏。
 A氏は先日、都内で独り暮らしの親が高齢になったため、公共料金などの支払い口座を親名義の口座から自分名義の口座に変更したいと考え、関係各社に連絡を試みた。中には比較的スムーズに変更手続きができたケースもあったもの、多くの企業でコールセンターがつながりにくく、繋がっても意思疎通がままならず、大変不愉快な思いをしたという。

「親の電気代がケーブルテレビの受信料契約と一緒の口座引き落としになっていて、電話すると、テレビでは『変更できない』と言われ、東京電力でも『ウチじゃない』と。東電のオペレーターの女性は『テレビを解約して当社と契約し直すしかありません』と最初から上から目線。口調もかなり高圧的で、とても顧客に対する態度とは思えませんでした」(A氏)

 かつて本誌は東電のグループ会社、東京電力エナジーパートナー(TEPCO)が一方的に行った電気料金の支払い方法変更について報じている(2021年5月号)。紙の請求書がWEB発行に替わり、振込用紙による支払いから「SMS選択払い」なる新たな支払い方法に変更されたため、高齢者やネットに不慣れな利用者たちが料金を支払うにも支払えず、戸惑う事例が続出。コールセンターの電話もつながらず、公式ホームページにアクセスしようとしても手続きが複雑で途中で諦めざるを得ず、大混乱に陥ったという内容だ。

 TEPCO広報は本誌取材に対し、「専用のフリーダイヤルもしくはチャット、LINEを通じた連絡への協力をお願いしている」と回答したが、電話は一向につながらず、そもそも高齢者には「チャット」が何のことか分からない上、スマホを持たない利用者は為す術もない。

......続きはZAITEN8月号で。

購読のお申し込みはこちら 情報のご提供はこちら
関連記事

サンドラッグ「取材を勝手に断ろうとする代表電話」

警察庁「回答期日無視などの呆れた広報対応」

ワークマン「〝監修〟を〝コラボ〟と宣伝する図々しさ」

JR東日本「発車メロディの〝改悪〟」で企業広告の違和感

TOHOシネマズ「対応部署がはっきりしないグダグダ広報体制」

TOHOシネマズ「無料鑑賞特典制限」が不親切でセコい

東武鉄道「定期券を継続購入出来ない券売機」

LIXIL「迷惑なトイレの点滅機能」消費者軽視の半強制点検

丸ノ内ホテル「お釣り渡し忘れ事件」に学ぶ危機管理

JR東日本「震災事故対応する駅員への〝不信感〟」