ZAITEN2022年08月号

橋下徹を追い詰める「上海電力」目糞鼻糞を笑うの〝深層〟

カテゴリ:企業・経済

 大阪市湾岸部にメガソーラーを誘致する入札で中国の電力会社が不透明な経緯で参入した「上海電力問題」。安倍晋三応援団の筆頭格、山口敬之(元TBS記者)が当時市長だった橋下徹を痛烈に批判、話題になっている。しかし、この批判は参院選を前にした政争の具の臭いが漂う。大阪市の一連の手続きを検証すると、橋下の関与の有無を問わず「上海電力ありき」だった実態が浮かび上がる。

 大阪市は2012年、湾岸部の埋め立て地、咲洲の5万平米の土地を太陽光発電用に賃貸借する一般競争入札を実施した。予定価格(月額賃料)は55万円。入札は〝1者応札〟となり、大阪市内の土建業者とペーパーカンパニーから成るJV(企業連合体)が55万1円で落札した。その後、JV2社は合同会社を設立。さらにこの半年後には、合同会社の代表社員がペーパーカンパニーから上海電力へ入れ替わった。

 この通り、上海電力は表の入札には姿を見せず〝裏口〟でこの事業に潜入してきたわけだが、大きな手続き上の問題を孕んでいる。  まず、入札期間がわずか12年11月16日~12月3日の18日間しかなかったこと。「こんな短期間に仕様を決めて応札するのは、事前に案件を知っていなければ至難の業」(大手パネルメーカー担当者)。

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